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最高裁判所第一小法廷 昭和26年(あ)3634号 判決 1952年4月17日

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人李の弁護人阿部甚吉の上告趣意(後記)は、憲法三六条違反を主張するが当裁判所の判例に徴し(判例集二巻七号七七七頁)理由がなく、被告人宮前の弁護人馬瀬文夫の上告趣意(後記)は、憲法違反を主張するけれどもその実質は、原判決の単なる法令違反量刑不当の主張であって上告適法の理由にならない。そして論旨も認めるとおり原判決は被告人宮前が麻薬を玉置に交付した事実を認定しているのであるが、原判決の挙げている証拠によればその事実は、麻薬取締法三条にいわゆる麻薬を譲り渡したものに該当するのであるから刑訴四一一条を適用して原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。

よって同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 真野 毅)

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